よくある質問 FAQ
A
ゴム劣化の一因には、熱や酸素による酸化劣化が有り、流体中の溶存酸素量に大きく左右されると考えられます。
特に給湯ラインの(高)温水は、外部からの補給水とともに絶えず酸素が供給されることから、空調ラインの(冷)温水等と比較して溶存酸素量が多量であり、また、熱や応力(圧力・変位等)の作用および、補給水中の残留塩素等がゴムの酸化劣化を促進し、製品の耐用年数を著しく低下させる要因となります。
よって、ゴム製フレキシブル継手を給湯ラインで使用すると、内面劣化やそれに伴う本体破損を引き起こすことから、弊社では給湯ラインでの使用をお勧めしておりません。
弊社では給湯ラインでのご使用には、接液部が耐熱性に優れた「フッ素樹脂製フレキシブル継手」を推奨しております。
A
プール水の循環ポンプ等のラインでは、滅菌装置(オゾン・塩素)が循環ポンプ付近に設置してある場合が多いことから、溶存酸素や塩素等の含有濃度が高く、これらがゴム製フレキシブル継手の腐食要因となり、早期の劣化が予想されます。
そのため、弊社カタログには「ゴム製フレキシブル継手はプール水の循環ポンプ廻りにご使用できない」旨を記載するとともに、プール水の循環ポンプ廻りでは「フッ素樹脂製フレキシブル継手」のご使用を推奨しております。
但し、プール槽廻り、排水ライン(オーバーフローライン含む)については、プール水に含まれる溶存酸素や塩素等の濃度が比較的低くなることから、ゴム製フレキシブル継手でも対応可能としております。
A
ゴム製可とう伸縮継手、ゴム製フレキシブル継手及び、フッ素樹脂製フレキシブル継手は、製品本体に相手フランジ接続に伴うシール用パッキンを具備しておりますので別途パッキンの使用は必要ありません。
但し、相手フランジ接続間に傷や突起が有る場合は、弊社製品のパッキン部が損傷し製品に 不具合を発生させることが考えられますので別途ガスケット(シートパッキン)を挿入願います。
尚、「ダクタイル鋳鉄管GF形(溝形)フランジとの接続」及び「ユーフレックス」に関しましては、 別途質問の回答を参照願います。
A
「取付ボルト寸法表及び初期取付時の製品締代残一覧」ページに記載致しておりますのでご参照願います。
A
ゴム製可とう伸縮継手及びフレキシブル継手は、製品本体に相手フランジ接続に伴うシール用パッキンを具備しておりますが、ダクタイル鋳鉄管のGF(溝形)フランジ専用のGF形ガスケット(1号)と併用するとシール面が同等材質による荷受パッキンになり、シール性の低下が懸念されることから、ゴム製可とう伸縮継手及び、フレキシブル継手の パッキン面とGFフランジの間にガスケット(シートパッキン)を挿入願います。
尚、GF形(溝形)フランジの専用ガスケットは、GF形ガスケット(1号)を使用願います。
A
フッ素樹脂製フレキシブル継手「ユーフレックス」は、製品本体にフッ素樹脂製フレキシブル継手のフランジパッキンを具備するため、呼び径の20A~150Aまでは本来パッキンを装着する必要はありません。
しかしながら、相手側配管のフランジ面がバリなどにより平滑でない場合、経年変化によりパッキン面のシール性が低下した場合や著しい温度変化が生じる場合には、包みパッキンを装着することがあります。
尚、このような止水力の低下が生じない場合において、包みパッキンを装着しても差し支えはありません。
また、200A~300Aの大口径は、面圧が高いため早期に上記のような止水力の低下を引起す場合があることから、 包みパッキンを製品に付属しておりますので、必要に応じて装着願います。
200A~300Aの大口径に付属するシートパッキンの型式は、トンボNo.9010-A-5(ニチアス製)であり、 20A~150Aで止水力の低下が生じた場合に装着する包みパッキンは、大口径と同型式のものをご使用願います。
A
弊社製品の「ゴム製フレキシブル継手」及び、「ゴム製可とう伸縮継手」は、液体ラインの防振または、 変位吸収を主な使用目的とし製造・販売しております。
弊社製品の「ゴム製フレキシブル継手」及び「ゴム製可とう伸縮継手」の主な使用目的に空気ラインの防振、 変位吸収を考慮していないことから、気体の温度上昇に伴う体積膨張により容易に製品使用可能圧力を超える 異常圧力発生が想定でき、これにより製品が損傷する恐れがあること、またゴムの性質である圧力差による 透過現象により内部構造に不具合が生じる可能性があることが考えられます。
しかしながら、送風機等を使用する端末開放式の場合、配管内の圧力上昇が比較的低いと考えられることから、 下表のように使用条件を制限することにより、空気等のガス体での使用を許容しています。
製品種別 | ゴム材 | 最高使用圧力 (MPa) |
最高使用温度(℃) | |
---|---|---|---|---|
ゴム製フレキシブル継手 | EPDM(SK10) CR |
正圧 | 300A以下:0.1 | 60 |
負圧 | -※ | -※ | ||
ゴム製可とう伸縮継手 (LSコネクタ) |
ⅡR 特殊ゴム材質 |
正圧 | 150A以下:0.5 200~300A:0.2 350~500A:0.05 550~1000A:0.02 |
70 製品設計により 80 |
負圧 | -0.1 |
流体が液体の場合と同一とし、各製品別の温度圧力による使用範囲グラフに準ずる(総合カタログ参照)
尚、空気圧縮機等による圧縮空気の密閉配管では、上記で述べた以外にも、空気圧縮機の潤滑・軸シール・ 冷却用に使用するオイルにより、製品本体のゴム材は膨潤することから、弊社製品の「ゴム製フレキシブル継手」及び 「ゴム製可とう伸縮継手」の仕様は推奨しておりません。
また、可燃性や毒性を有するガス体は適応できません。
A
当社製ゴム製フレキシブル継手の流速制限は、一般配管の流速制限※1を引用し、3m/s以下でのご使用を推奨しております。
ゴム製フレキシブル継手は、流体の圧力により多少の形状変形(膨張)が生じますが、 流速が早くなると、次のような不具合を引き起こす恐れがあります。
- 1.配管内の乱流の影響で振動の発生や振動が増幅する。
- 2.流体に含まれる異物により、内ゴムが摩耗や損傷する。
- 3.流体の粘性による吸引力で、本体胴部の潰れや内ゴムのはく離を引起す。
近年のポンプ高性能化(小型化、高回転化)に伴い、高流速が生じ易い傾向がありますが、 レデューサー後の配管に流速3m/s以下に下げて使用するよう願います。
参考文献:第13版 空気調和・衛生工学便覧 空気調和設備設計篇 第7章配管設計 7.2.6管径決定法(3)管径選定法。
A
弊社製品のフレキシブル継手を、入浴設備の温泉水ライン中に接続する場合、温泉水の供給方法で 分類すると、源泉掛け流しと循環再利用によるものがあります。
貯留・循環式の再利用により入浴設備へ温泉水を供給する場合、レジオネラ菌等の殺菌を目的として、 当該供給ライン中(ろ過器前段)に塩素系薬剤を注入(または、投入)する必要があります。
これに伴い、循環ポンプなどの消毒設備周りに使用するフレキシブル継手本体の材質は、塩素系薬剤注入 (または、投入)後の温泉水の遊離残留塩素濃度により、適応を区分する必要があります。
フレキシブル継手の本体材質選定における温泉水の供給方法及び、残留塩素濃度による適応区分を 下記に示します。
フレキシブル継手本体の材質分類 | 温泉水の分類/適応温度※2(℃) | 供給方法による分類 | ||
---|---|---|---|---|
源泉掛け流し※3 | 貯留・循環式再利用※4 | |||
遊離残留塩素(mg/ℓ) | ||||
0.2~0.4 | ~1.0 | |||
ゴム(EPDM:SK10※1) | ~80 | 〇 | 〇 | △※5 |
フッ素樹脂 | ~150 | 〇 | 〇 | 〇 |
SK10は、塩素・オゾン等の耐劣化性に優れた新ゴム材(適応温度は製品により相違)
ゴム及び、フッ素樹脂の適応温度は、製品種別とライン中の温水圧により相違するので、 カタログの温度と圧力グラフから、使用圧力に応じた使用温度を見出す(表中の記載温度は、 製品最大使用可能温度を示す)
源泉掛け流しは、加温、加水した源泉を除く。
塩素系薬剤注入設備を有する薬剤注入後のラインで適応
残留塩素濃度が高いと耐劣化性に優れるSK10でも劣化が促進するため、早期に寿命を迎える可能性がある。 (条件付きで使用可)
また、オゾン・紫外線殺菌等の消毒設備廻りでは、高濃度のオゾン、紫外線等がゴムの劣化因子となりますので、 フレキシブル継手の本体材質にはフッ素樹脂を選定する必要があります。
A
当社製品の「フレキシブル継手」及び「可とう伸縮継手」には、流体の通過に伴い流体摩擦による エネルギーの損失(摩擦損失水頭)が生じます。 当社製品における摩擦損失水頭を等価管長に置き換えた値は、下記の通りになります。全体配管の損失水頭算出時の局部損失水頭(等価管長)としてご参照願います。
分類 | 対象製品 | 等価管長 |
---|---|---|
ゴム製フレキシブル継手 | BFコネクタ | 2.0m |
キングフレックス20 | ||
トーゼンフレックス | ||
タフボーイ | ||
ピュアジョイント | 3.0m | |
PTコネクタ | 4.0m | |
TOUGHLEX | ||
エルボフレックス | 2.0m+a※1 | |
ゴム製可とう伸縮継手 | LSコネクタ | 1.0m+ 山数×1.0m |
LCコネクタ | ||
フッ素樹脂製フレキシブル継手 | ユーフレックス | |
フロネックスa | 4.0m | |
フロネックスa T-3 |
曲管の等価管長
呼び径 | 32A | 40A | 50A | 65A | 80A | 100A |
---|---|---|---|---|---|---|
a | 0.6m | 0.7m | 0.9m | 1.1m | 1.3m | 1.7m |
呼び径 | 125A | 150A | 200A | 250A | 300A | |
a | 2.1m | 2.5m | 3.3m | 4.1m | 4.9m |
消防法摩擦損失計算の基準 溶接式90°ショートエルボ抜粋
技術に関すること
当社の技術に関する質問を紹介します。
A
- 横引き配管や立て配管は防振支持されてますか?防振支持されていなければ防振対策を施してください。
- 配管の躯体貫通部(壁・床)はモルタル等で埋め戻ししてませんか?モルタルであれば除去してロックウールに変更してください。
A
機器の容量や設置場所など振動・騒音の発生に気を使わない場合は、緩衝剤としてパッドを敷いておくだけでいいと考えられてます。パッドの1cm2当りの負荷荷重は2~4kgf/cm2程度を標準としています。パッドは防振材というより緩衝材で、振動発生の防止を目的とした場合の選定材料としては不適当です。
A
配管振動は管内圧力変動による脈動からのものと機械本体振動によるものが考えられます。機械振動によるものはゴムフレキにより振動効果が期待できます。しかし、管内圧力変動による脈動からの振動は配管全体に発生するので、ゴムフレキ取付け以降の横引管や竪管の防振支持は、 建屋の使用目的に合わせて必要となります。
A
地下設置機器の直上階が駐車場などの場合、振動は不要と考えられます。直上階がロビー、事務所等の場合、天井吊り配管や大型ダクトの吊り防振は気をつけなければなりませんが、地下設置機器類は一応の検討を行うと防振ゴムタイプの防振装置で間に合う事も多いです。
一方、中間階機械室では、建物の用途にもよりますが、近傍の静けさには気を使わなくてはならない場合が多く、機器、配管、ダクトの防振は必要性が高くなり ます。機械室内だけでなく、機械室から出て廊下の天井に横走る冷温水管の防振吊りや、屋上に立上がるために横引になっている冷却水管の防振吊りなども気を つけなければなりません。